Unspoken message is everywhere.
Posted by 昏 - 2013.03.14,Thu
私は彼女の家に来ている
二間つづきの畳敷きの部屋は
襖で仕切れるようになっており
奥の間には仏壇が置いてある
私は彼女と向き合っているのだが
彼女は一言も言葉を発しない
いつになく神妙な顔つきで私を見る
私も深刻な顔をしてそこに居る
彼女は白い着物を着ていて
それはこれから行われる
儀式的な何かを私に予想させた
彼女は手を拱いて
こちらに来い
と声には出さず私を呼んだ
私は黙って従い
彼女について奥の間へ入った
仏壇の前に座布団が敷いてあった
彼女はそこへ腰を下ろすと
立ったままの私に向かって
手を上げた
するとその手の動きに併せて
私の身体は宙に浮いていた
その状態のまま
彼女は合掌し何か唱え始めた
私は中に浮いたまま
くるくると回り始めた
私はとまどいを隠せずにいた
なぜなら
意思とは逆らって起きる状況に
自分が自分ではないように思えてきていたからだ
不安の中で私は
自分を見失わないようにすることばかりを考えた
もはやそれすら怪しかったけれど
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二間つづきの畳敷きの部屋は
襖で仕切れるようになっており
奥の間には仏壇が置いてある
私は彼女と向き合っているのだが
彼女は一言も言葉を発しない
いつになく神妙な顔つきで私を見る
私も深刻な顔をしてそこに居る
彼女は白い着物を着ていて
それはこれから行われる
儀式的な何かを私に予想させた
彼女は手を拱いて
こちらに来い
と声には出さず私を呼んだ
私は黙って従い
彼女について奥の間へ入った
仏壇の前に座布団が敷いてあった
彼女はそこへ腰を下ろすと
立ったままの私に向かって
手を上げた
するとその手の動きに併せて
私の身体は宙に浮いていた
その状態のまま
彼女は合掌し何か唱え始めた
私は中に浮いたまま
くるくると回り始めた
私はとまどいを隠せずにいた
なぜなら
意思とは逆らって起きる状況に
自分が自分ではないように思えてきていたからだ
不安の中で私は
自分を見失わないようにすることばかりを考えた
もはやそれすら怪しかったけれど
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Posted by 昏 - 2013.03.08,Fri
家の近くに居た
何か動いた気がして
空を見上げて驚いた
そこには地球が浮かんでいた
とても青く
雲のかかる場所に白い縞模様も見えた
あれは確かに地球だが
だとしたら私たちの今居るこの星は何だろう
空に浮かんでいる地球は
じっとしていなかった
ギュンと上昇したかと思うと
勢いをつけて一気に下降してくる
UFOのような動きで
この私たちの居る地球に
故意にぶつかろうとしているように
空の地球は何度も何度も
目的の場所に落ちるのを狙っているように
上昇し下降するのを繰り返し続けていた
まるでこの宇宙に
地球はふたつも要らないとでもいうように
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何か動いた気がして
空を見上げて驚いた
そこには地球が浮かんでいた
とても青く
雲のかかる場所に白い縞模様も見えた
あれは確かに地球だが
だとしたら私たちの今居るこの星は何だろう
空に浮かんでいる地球は
じっとしていなかった
ギュンと上昇したかと思うと
勢いをつけて一気に下降してくる
UFOのような動きで
この私たちの居る地球に
故意にぶつかろうとしているように
空の地球は何度も何度も
目的の場所に落ちるのを狙っているように
上昇し下降するのを繰り返し続けていた
まるでこの宇宙に
地球はふたつも要らないとでもいうように
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Posted by 昏 - 2013.03.07,Thu
妹は私をとても信頼している
それはある意味
妹の夫にとっては面白くないことだろう
そして私は妹の信頼をいいことにして
何か自分の利益を企んでいる
だから常に後ろめたさはあった
ある時
出かけた先で義弟と会った
彼はじつに不思議な術を使ってみせた
私に近づき声を使わず私をコントロールした
私のポケットに緑色のリボンをかけた箱をそっと忍ばせ
声なき声でこう言った
コレヲ カナラズ ツマニ ワタシテ クダサイ
その間私はまるで身体の自由を奪われ
催眠術にでもかけられたように
彼からの任務を遂行しなければならないと思い込んだ
帰宅後
妹に預かった箱を渡そうと箱を取り出し
ふと勘繰る
もしや私のことを良く思わない義弟が
プレゼントなら自分で渡せばよいものを
何故わざわざ私に託すのか
悪い予感がする
この箱をそのまま妹に渡してよいのか?
リボンを結んだだけのその箱なら
一度解いても元通りにすれば誰にも分からない筈と
そっと箱を開けてみた
箱は観音開きになっていて
中には無数の小さい紙がぶら下がっており
その一枚一枚に文字が書かれている
コノ ハコヲ モッテキタモノコソ オマエヲ ウラギル ウソツキダ
オマエノ アルジハ ワタシダ
読み取れたのはそれだけだったが
この箱の中が即ちそのまんま彼の心の中だったのだ
開けた瞬間に閉じ込めた気持ちが流れ出して
私はそれを浴びて苦しくなった
急いで箱を閉じ
リボンを結ぶ
だが
そんな単純な作業が上手く出来ないのだ
焦って何度結んでもリボンはちゃんと結べなかった
いや焦っているからではなく
彼は一度解くと二度と結べないリボンを
わざとかけて試したのだ
というよりも私がこれを解くことを見抜いていたのだ
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それはある意味
妹の夫にとっては面白くないことだろう
そして私は妹の信頼をいいことにして
何か自分の利益を企んでいる
だから常に後ろめたさはあった
ある時
出かけた先で義弟と会った
彼はじつに不思議な術を使ってみせた
私に近づき声を使わず私をコントロールした
私のポケットに緑色のリボンをかけた箱をそっと忍ばせ
声なき声でこう言った
コレヲ カナラズ ツマニ ワタシテ クダサイ
その間私はまるで身体の自由を奪われ
催眠術にでもかけられたように
彼からの任務を遂行しなければならないと思い込んだ
帰宅後
妹に預かった箱を渡そうと箱を取り出し
ふと勘繰る
もしや私のことを良く思わない義弟が
プレゼントなら自分で渡せばよいものを
何故わざわざ私に託すのか
悪い予感がする
この箱をそのまま妹に渡してよいのか?
リボンを結んだだけのその箱なら
一度解いても元通りにすれば誰にも分からない筈と
そっと箱を開けてみた
箱は観音開きになっていて
中には無数の小さい紙がぶら下がっており
その一枚一枚に文字が書かれている
コノ ハコヲ モッテキタモノコソ オマエヲ ウラギル ウソツキダ
オマエノ アルジハ ワタシダ
読み取れたのはそれだけだったが
この箱の中が即ちそのまんま彼の心の中だったのだ
開けた瞬間に閉じ込めた気持ちが流れ出して
私はそれを浴びて苦しくなった
急いで箱を閉じ
リボンを結ぶ
だが
そんな単純な作業が上手く出来ないのだ
焦って何度結んでもリボンはちゃんと結べなかった
いや焦っているからではなく
彼は一度解くと二度と結べないリボンを
わざとかけて試したのだ
というよりも私がこれを解くことを見抜いていたのだ
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Posted by 昏 - 2013.02.21,Thu
友人と旅に出ている
橋を通ったとき
眼下に神社を見つける
こんなところに…
近づいてみると
参拝者の奉納品か
瀬戸物の狐がたくさん置いてある
その隣に参道の入り口があり
赤い鳥居が見える
折角だからお参りしていこうと
赤い鳥居をくぐる
さっきは分からなかった
奥にはお堂…がある筈だと思ったが
そこには修業に来たものが泊まることが出来るほどの
大きな建物があった
ここの管理を任されてると思える人に通され
襖を開け室へ入る
そこは大きな和室になったおり
さらに左右に奥に襖がある
想像以上に広いこの建物を
あちこちと歩いて廻った
どのくらい時間が経っただろう
そろそろ帰らねばということになった
さてどこに出れば先ほどの入り口に出られるだろう
どんなに襖を開け閉めしても
決して来た場所へ帰りつかなかった
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橋を通ったとき
眼下に神社を見つける
こんなところに…
近づいてみると
参拝者の奉納品か
瀬戸物の狐がたくさん置いてある
その隣に参道の入り口があり
赤い鳥居が見える
折角だからお参りしていこうと
赤い鳥居をくぐる
さっきは分からなかった
奥にはお堂…がある筈だと思ったが
そこには修業に来たものが泊まることが出来るほどの
大きな建物があった
ここの管理を任されてると思える人に通され
襖を開け室へ入る
そこは大きな和室になったおり
さらに左右に奥に襖がある
想像以上に広いこの建物を
あちこちと歩いて廻った
どのくらい時間が経っただろう
そろそろ帰らねばということになった
さてどこに出れば先ほどの入り口に出られるだろう
どんなに襖を開け閉めしても
決して来た場所へ帰りつかなかった
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Posted by 昏 - 2013.02.04,Mon
海の美しい旅先で出逢った一人の少女
彼女は両親の元をすぐにはぐれてしまう
はぐれては戻ってくる
いっぱいの笑顔を連れて
知っているようで知らない子
幼いはずなのにどこか謎めいた女の子
「君のご両親が君の事を探しているよ」
ごめんごめん…と彼女は笑顔で両親の元に急ぐ
でも戻ってはまたすぐにどこかへ消えてしまう
彼女の両親はまた彼女を探してる
今度はどこへ?
引き潮時、海面は日の光でキラキラと輝き
彼女の姿は浮かび上がった砂浜の遠くに見える
そして誰も気づかない
彼女の両親も見つけられないほど遠くへ
「あそこにいますよ!」
指差しても両親はそれを見ない
もうすぐ潮が満ちてくる…
気が気じゃなくなって近づくと
彼女はやはり笑顔だった
そして静かに言った
私は思い出を返すために此処にきたの。
彼女の手に握られていたウサギのペンダントは
彼女がもっと小さい頃に彼女の父親が作ったもの
静かな時間が流れる
彼女はもう笑顔じゃない
彼女の方からは寂しさや悲しみが伝わってくる
生きていくことがこんなに辛いならば…
「待って…まだ君は何も知らないじゃないか」
もういいの。
パパもママもいつからか私を見てはいない。
もういいの。
もういいの…
気がつくと彼女は綺麗な巻貝になっていた
そしてその巻貝は聴いたことのない綺麗で悲しい歌を歌っている
「どうして?」
君と話がしたいのにもう言葉は浮かんでこない
君に伝えたいことが沢山あるはずなのに…
思っていることが言葉になれずにいる
そのために胸がつかえて苦しいのだ
待って…
言葉は音になれずにただそこに立ち尽くしていた
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彼女は両親の元をすぐにはぐれてしまう
はぐれては戻ってくる
いっぱいの笑顔を連れて
知っているようで知らない子
幼いはずなのにどこか謎めいた女の子
「君のご両親が君の事を探しているよ」
ごめんごめん…と彼女は笑顔で両親の元に急ぐ
でも戻ってはまたすぐにどこかへ消えてしまう
彼女の両親はまた彼女を探してる
今度はどこへ?
引き潮時、海面は日の光でキラキラと輝き
彼女の姿は浮かび上がった砂浜の遠くに見える
そして誰も気づかない
彼女の両親も見つけられないほど遠くへ
「あそこにいますよ!」
指差しても両親はそれを見ない
もうすぐ潮が満ちてくる…
気が気じゃなくなって近づくと
彼女はやはり笑顔だった
そして静かに言った
私は思い出を返すために此処にきたの。
彼女の手に握られていたウサギのペンダントは
彼女がもっと小さい頃に彼女の父親が作ったもの
静かな時間が流れる
彼女はもう笑顔じゃない
彼女の方からは寂しさや悲しみが伝わってくる
生きていくことがこんなに辛いならば…
「待って…まだ君は何も知らないじゃないか」
もういいの。
パパもママもいつからか私を見てはいない。
もういいの。
もういいの…
気がつくと彼女は綺麗な巻貝になっていた
そしてその巻貝は聴いたことのない綺麗で悲しい歌を歌っている
「どうして?」
君と話がしたいのにもう言葉は浮かんでこない
君に伝えたいことが沢山あるはずなのに…
思っていることが言葉になれずにいる
そのために胸がつかえて苦しいのだ
待って…
言葉は音になれずにただそこに立ち尽くしていた
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