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Unspoken message is everywhere.
Posted by - 2024.05.19,Sun
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Posted by 昏 - 2013.03.14,Thu
私は彼女の家に来ている

二間つづきの畳敷きの部屋は

襖で仕切れるようになっており

奥の間には仏壇が置いてある

私は彼女と向き合っているのだが

彼女は一言も言葉を発しない

いつになく神妙な顔つきで私を見る

私も深刻な顔をしてそこに居る

彼女は白い着物を着ていて

それはこれから行われる

儀式的な何かを私に予想させた

彼女は手を拱いて

こちらに来い

と声には出さず私を呼んだ

私は黙って従い

彼女について奥の間へ入った

仏壇の前に座布団が敷いてあった

彼女はそこへ腰を下ろすと

立ったままの私に向かって

手を上げた

するとその手の動きに併せて

私の身体は宙に浮いていた

その状態のまま

彼女は合掌し何か唱え始めた

私は中に浮いたまま

くるくると回り始めた

私はとまどいを隠せずにいた

なぜなら

意思とは逆らって起きる状況に

自分が自分ではないように思えてきていたからだ

不安の中で私は

自分を見失わないようにすることばかりを考えた

もはやそれすら怪しかったけれど





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Posted by 昏 - 2013.03.08,Fri
家の近くに居た

何か動いた気がして

空を見上げて驚いた

そこには地球が浮かんでいた

とても青く

雲のかかる場所に白い縞模様も見えた

あれは確かに地球だが

だとしたら私たちの今居るこの星は何だろう



空に浮かんでいる地球は

じっとしていなかった

ギュンと上昇したかと思うと

勢いをつけて一気に下降してくる

UFOのような動きで

この私たちの居る地球に

故意にぶつかろうとしているように

空の地球は何度も何度も

目的の場所に落ちるのを狙っているように

上昇し下降するのを繰り返し続けていた

まるでこの宇宙に

地球はふたつも要らないとでもいうように





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Posted by 昏 - 2013.03.07,Thu
妹は私をとても信頼している

それはある意味

妹の夫にとっては面白くないことだろう

そして私は妹の信頼をいいことにして

何か自分の利益を企んでいる

だから常に後ろめたさはあった



ある時

出かけた先で義弟と会った

彼はじつに不思議な術を使ってみせた

私に近づき声を使わず私をコントロールした

私のポケットに緑色のリボンをかけた箱をそっと忍ばせ

声なき声でこう言った

コレヲ カナラズ ツマニ ワタシテ クダサイ

その間私はまるで身体の自由を奪われ

催眠術にでもかけられたように

彼からの任務を遂行しなければならないと思い込んだ



帰宅後

妹に預かった箱を渡そうと箱を取り出し

ふと勘繰る

もしや私のことを良く思わない義弟が

プレゼントなら自分で渡せばよいものを

何故わざわざ私に託すのか

悪い予感がする

この箱をそのまま妹に渡してよいのか?

リボンを結んだだけのその箱なら

一度解いても元通りにすれば誰にも分からない筈と

そっと箱を開けてみた

箱は観音開きになっていて

中には無数の小さい紙がぶら下がっており

その一枚一枚に文字が書かれている

コノ ハコヲ モッテキタモノコソ オマエヲ ウラギル ウソツキダ

オマエノ アルジハ ワタシダ

読み取れたのはそれだけだったが

この箱の中が即ちそのまんま彼の心の中だったのだ

開けた瞬間に閉じ込めた気持ちが流れ出して

私はそれを浴びて苦しくなった

急いで箱を閉じ

リボンを結ぶ

だが

そんな単純な作業が上手く出来ないのだ

焦って何度結んでもリボンはちゃんと結べなかった

いや焦っているからではなく

彼は一度解くと二度と結べないリボンを

わざとかけて試したのだ

というよりも私がこれを解くことを見抜いていたのだ






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Posted by 昏 - 2013.02.21,Thu
友人と旅に出ている

橋を通ったとき

眼下に神社を見つける

こんなところに…

近づいてみると

参拝者の奉納品か

瀬戸物の狐がたくさん置いてある

その隣に参道の入り口があり

赤い鳥居が見える

折角だからお参りしていこうと

赤い鳥居をくぐる

さっきは分からなかった

奥にはお堂…がある筈だと思ったが

そこには修業に来たものが泊まることが出来るほどの

大きな建物があった

ここの管理を任されてると思える人に通され

襖を開け室へ入る

そこは大きな和室になったおり

さらに左右に奥に襖がある

想像以上に広いこの建物を

あちこちと歩いて廻った

どのくらい時間が経っただろう

そろそろ帰らねばということになった

さてどこに出れば先ほどの入り口に出られるだろう

どんなに襖を開け閉めしても

決して来た場所へ帰りつかなかった





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Posted by 昏 - 2013.02.04,Mon
海の美しい旅先で出逢った一人の少女

彼女は両親の元をすぐにはぐれてしまう

はぐれては戻ってくる

いっぱいの笑顔を連れて

知っているようで知らない子

幼いはずなのにどこか謎めいた女の子



「君のご両親が君の事を探しているよ」

ごめんごめん…と彼女は笑顔で両親の元に急ぐ

でも戻ってはまたすぐにどこかへ消えてしまう

彼女の両親はまた彼女を探してる

今度はどこへ?



引き潮時、海面は日の光でキラキラと輝き

彼女の姿は浮かび上がった砂浜の遠くに見える

そして誰も気づかない

彼女の両親も見つけられないほど遠くへ

「あそこにいますよ!」

指差しても両親はそれを見ない

もうすぐ潮が満ちてくる…

気が気じゃなくなって近づくと

彼女はやはり笑顔だった

そして静かに言った

私は思い出を返すために此処にきたの。

彼女の手に握られていたウサギのペンダントは

彼女がもっと小さい頃に彼女の父親が作ったもの

静かな時間が流れる

彼女はもう笑顔じゃない

彼女の方からは寂しさや悲しみが伝わってくる

生きていくことがこんなに辛いならば…

「待って…まだ君は何も知らないじゃないか」



もういいの。

パパもママもいつからか私を見てはいない。

もういいの。

もういいの…



気がつくと彼女は綺麗な巻貝になっていた

そしてその巻貝は聴いたことのない綺麗で悲しい歌を歌っている

「どうして?」

君と話がしたいのにもう言葉は浮かんでこない

君に伝えたいことが沢山あるはずなのに…

思っていることが言葉になれずにいる

そのために胸がつかえて苦しいのだ

待って…

言葉は音になれずにただそこに立ち尽くしていた





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