Unspoken message is everywhere.
Posted by 昏 - 2014.01.06,Mon
長い木造の廊下を歩く
私の他には誰も居ない
やがて出口に差し掛かった時
黒いスーツの男とすれ違う
今度は逆の方角から
初老の男が来てすれ違う
その瞬間
私は封印されたように動けなくなる
次第に苦しくなり
無理に動かそうとした手は
虚しく宙を撫でただけだった
いつの間にか
後からすれ違った初老の男が
立ち止まり動けない私を見ていた
そして声に出さず語りかけてきた
『 動けないのはあの黒い男のせいや
其処は苦しいか?
此方に来るのは簡単やけど
その苦しみの中にある君は
其処に居てこそ
透き通って見えるんやで 』
私の他には誰も居ない
やがて出口に差し掛かった時
黒いスーツの男とすれ違う
今度は逆の方角から
初老の男が来てすれ違う
その瞬間
私は封印されたように動けなくなる
次第に苦しくなり
無理に動かそうとした手は
虚しく宙を撫でただけだった
いつの間にか
後からすれ違った初老の男が
立ち止まり動けない私を見ていた
そして声に出さず語りかけてきた
『 動けないのはあの黒い男のせいや
其処は苦しいか?
此方に来るのは簡単やけど
その苦しみの中にある君は
其処に居てこそ
透き通って見えるんやで 』
PR
Posted by 昏 - 2013.12.29,Sun
夜中
鳩のケージの上に
どこからか鳩が来ていた
びっくりして
ベッドから上体を起こすと
鳩は逃げていった
よく見ると
ケージの周辺に
何やら居るのに気がついた
目を凝らすと
孔雀や小鳥
狭い場所が
楽園に見えた
鳩のケージの上に
どこからか鳩が来ていた
びっくりして
ベッドから上体を起こすと
鳩は逃げていった
よく見ると
ケージの周辺に
何やら居るのに気がついた
目を凝らすと
孔雀や小鳥
狭い場所が
楽園に見えた
Posted by 昏 - 2013.06.15,Sat
私の隣のシートにはあの人が座っている
確かにおかしい
いつ車に乗ったのだか解らない
あの人と話していただけだったはずなのに…
車窓から木々の緑が目に入る
いつの間に誰か見知らぬ男が車を運転している
あの人は当たり前のように運転席の男に話しかける
ああ…
この男はいつかあの人から聞いたことのあるあの術者か
初対面の私にその男が話しかけてくる
内容は私に関すること
それから何かを試すようなこと
私は社交辞令的にそれに応える
車は山道をどんどん登っていき
頂上付近の山小屋の前で停まった
気温と湿った空気の匂いから
相当高い場所だと分かる
ここまで来て私の隣のあの人はダミーだと判る
なるほど私をおびき寄せるための囮
私が何か見極めるために
入り込んだという訳だ
あの男なら手掛かりさえあれば
他人の夢に入り込むくらい造作もないことだろう
そして私は
なにくわぬ顔で騙されるふりを続けている
確かにおかしい
いつ車に乗ったのだか解らない
あの人と話していただけだったはずなのに…
車窓から木々の緑が目に入る
いつの間に誰か見知らぬ男が車を運転している
あの人は当たり前のように運転席の男に話しかける
ああ…
この男はいつかあの人から聞いたことのあるあの術者か
初対面の私にその男が話しかけてくる
内容は私に関すること
それから何かを試すようなこと
私は社交辞令的にそれに応える
車は山道をどんどん登っていき
頂上付近の山小屋の前で停まった
気温と湿った空気の匂いから
相当高い場所だと分かる
ここまで来て私の隣のあの人はダミーだと判る
なるほど私をおびき寄せるための囮
私が何か見極めるために
入り込んだという訳だ
あの男なら手掛かりさえあれば
他人の夢に入り込むくらい造作もないことだろう
そして私は
なにくわぬ顔で騙されるふりを続けている
Posted by 昏 - 2013.03.10,Sun
気がつくとそこは家ではなかった
飲みに出かけて
酔い潰れて
そのままその店の2階で
眠ってしまったらしい
目を覚ますと朝になっていた
カーテンを開ける
眼下にある光景は
あまりにも現実からかけ離れていた
広い中庭は鮮やかな緑の芝生で覆われ
四方に石造りの道が付いている
中央には石で出来た円形の噴水がある
その噴水の周りを取巻くように天使がいる
天使は子供の姿をしており
白く短い裾のドレスを着て一見バレリーナかと思うが
その背中には純白の羽根があり
みんなボタニカルアートに描かれる妖精みたいだ
天使たちは少し宙に浮いて
円形の噴水を取り囲んでいる
大勢居るはずなのに音ひとつ立てず
まるで雪の降る時のように
音はないのに気配はあるという感じだ
その美しい情景を
私はいつまでも眺めていたかった
人気ブログランキングへ
飲みに出かけて
酔い潰れて
そのままその店の2階で
眠ってしまったらしい
目を覚ますと朝になっていた
カーテンを開ける
眼下にある光景は
あまりにも現実からかけ離れていた
広い中庭は鮮やかな緑の芝生で覆われ
四方に石造りの道が付いている
中央には石で出来た円形の噴水がある
その噴水の周りを取巻くように天使がいる
天使は子供の姿をしており
白く短い裾のドレスを着て一見バレリーナかと思うが
その背中には純白の羽根があり
みんなボタニカルアートに描かれる妖精みたいだ
天使たちは少し宙に浮いて
円形の噴水を取り囲んでいる
大勢居るはずなのに音ひとつ立てず
まるで雪の降る時のように
音はないのに気配はあるという感じだ
その美しい情景を
私はいつまでも眺めていたかった
人気ブログランキングへ
Posted by 昏 - 2013.02.05,Tue
ずぶ濡れのお前が
私の前に現れ
僕はあなたのことが嫌いな訳ではないんだ
と
わざわざそれを言いに来たのか
分かってるよ
他の人の身体を借りて
お前が現れたとき
私の手を払いのけた
生きていたとき
しっかりして欲しくて
お前にわざと厳しくしていたから
嫌われてもしょうがないと
思っていたんだ
どんなに翻弄されても
自分を失っても
いけないことはいけないと
それだけはお前に教え込みたかった
その基準があれば人として生きていける
そう思ったから
でもお前はもう私の言葉を理解しなかった
苦し過ぎて
生きることを諦めた
そんなお前を
許さなかったから
分かって欲しかったんだね
お前の気持ち
どうでもいいなんてこれっぽっちも思っていなかったよ
思うはずないだろう?
ただ用意していた覚悟が
無意味になることを祈っていたんだよ
人気ブログランキングへ
私の前に現れ
僕はあなたのことが嫌いな訳ではないんだ
と
わざわざそれを言いに来たのか
分かってるよ
他の人の身体を借りて
お前が現れたとき
私の手を払いのけた
生きていたとき
しっかりして欲しくて
お前にわざと厳しくしていたから
嫌われてもしょうがないと
思っていたんだ
どんなに翻弄されても
自分を失っても
いけないことはいけないと
それだけはお前に教え込みたかった
その基準があれば人として生きていける
そう思ったから
でもお前はもう私の言葉を理解しなかった
苦し過ぎて
生きることを諦めた
そんなお前を
許さなかったから
分かって欲しかったんだね
お前の気持ち
どうでもいいなんてこれっぽっちも思っていなかったよ
思うはずないだろう?
ただ用意していた覚悟が
無意味になることを祈っていたんだよ
人気ブログランキングへ