無題

恨むならアイツを恨みなと
アナタは言うけど

私はもう誰も恨まない

アナタも恨まない

アナタの言葉は
私の存在を肯定する材料

私を通り抜ける風

私の心を揺らせても
奪うことまでは出来ない

必要か不必要かは
私が決めること

顔

本当に辛いときほど
人は何も言えない

過ぎ去れば
痛みの記憶も薄れるものだと
知っているのに
何故
こんなにも
耐え難い気持ちに苛まれるのか

哀しみから生まれたような
顔をして

代償

痛みを和らげる為に酒を

叫びを掻き消す為に煙草を

手を差し伸べないで

上辺の優しさは要らない

戸惑いの代わりに強さを

この不可解な迷宮を抜け出す智慧を

疲れを知らぬ力を

苦しみ

こんなのは
苦しみのうちに
入らない

今私を支えているものは
更に重い
過去の苦しみ

忘れ去らなければ
生きるのさえ困難な
苦しみがかつてあった

今はそれを掘り起こし
思い出せ

ここで倒れる訳にはいかない
その糧に

サイン

元気でいることが
何処かであなたに伝われば
それでいい

姿は見えずとも
声は聞かずとも
たとえ
どんなに遠くに居ようとも

誰にも解らないサインを
私は密かに送り続ける
あなたに向けて